ぎっくり腰

ぎっくり腰を繰り返すのはなぜ?整骨院院長が3タイプ別に原因解説

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ぎっくり腰が何度も繰り返す——その悩み、必ず体に理由があります。柔道整復師・鍼灸師として30年、7万人以上を診てきた整骨院院長が、繰り返す人を「3つのタイプ」に分けて本音で解説します。スピリチュアルな原因を探す前に、まず体の状態を見直してみてください。

ぎっくり腰を繰り返す人には「3つのタイプ」がある

結論から言うと、ぎっくり腰を繰り返す人は、大きく3つのタイプに分かれます。

タイプこんな人繰り返す主な理由
A
ぶり返し型
治る前に、また痛める痛みが減った=治った、と勘違いして動く
B
冬型
毎年、冬に激しく痛める寒さで筋肉が硬くなり血流が落ちる
C
予備軍型
いつも「なりそうな腰」をしている腰や仙骨が常に緊張・硬くなっている
院長より

30年の臨床から言うと、繰り返す人の多くはこのどれかに当てはまります。大切なのは「自分はどのタイプか」を知ること。タイプによって、気をつけるポイントが変わるからです。あなたに近いものを読んでみてください。

【タイプA】痛みが減った=治った、の勘違いで繰り返す

いちばん多いのが、このぶり返し型です。

ぎっくり腰は、筋膜・靭帯・椎間関節まわりの組織を痛め、炎症を起こした状態です。この炎症が強い痛みを生み、動けなくします。

炎症が落ち着くと、痛みが引いて動きやすくなります。ここで多くの人が勘違いをします。「痛みが減った=治った」と思ってしまうのです。

ところが、痛みが引いても、傷んだ組織の修復はまだ途中。この時期に腰へ負担のかかる作業、長時間の中腰、無理な姿勢をとると、簡単に再発します。「仕事が休めないから」と普段どおり動いて、ぶり返す——これが典型です。

時間の経過 → 痛み 組織の回復 再発しやすい 危険な時期
痛みは早く引くが、組織の回復は遅れる。このズレが再発の落とし穴。
院長より

私が患者さんにお伝えしているのは、「痛みが3〜4割まで引いたら、そこから徐々に動いていきましょう」という目安です。一気に元の生活に戻さない。この一手間で、ぶり返しはぐっと減ります。

【タイプB】冬になると繰り返す人の落とし穴

毎年、冬になると激しいぎっくり腰をしてしまう——そんな方もこのBタイプです。

冬の寒さは、筋肉を硬直させ、血流を低下させます。これが腰への負担を増やし、ぎっくり腰の引き金になります。

注意したいのは、冷え性の人だけがなるわけではない、ということ。

意外に見落とされがちなのが、足元の冷えです。足元が冷えると内臓も冷え、お腹に力が入りにくくなります。すると腰への負担が増し、ぎっくり腰につながることがあります。

やっかいなのは、このときお腹の冷えや痛みといった自覚症状が、ほとんど出ないこと。本人は気づかないまま、腰だけが悲鳴をあげているのです。

●こんな経験はありませんか 温泉でゆっくり温まったら、腰が楽になった——。体の芯から温まると回復する方は、冷えが腰に影響しているサインかもしれません。

【タイプC】いつも「なりそうな腰」をしている予備軍

痛めてはいないけれど、いつも腰が重い、張っている。「またなりそう」という感覚が抜けない。これがC・予備軍型です。

腰のカーブが減っている人が多い

臨床で多く見るのは、腰椎の前弯(ぜんわん)が減っているタイプです。本来あるべき腰の前へのカーブが少なくなり、まっすぐに近づいた状態です。

こういう人は腰まわりの筋肉が常に緊張しやすく、朝の起床時の動作で腰の痛みや張り感を感じることがあります。

ただし、腰がまっすぐな人がみんなそうなるわけではありません。あくまで傾向の一つです。

仙骨の動きが硬い人

もう一つ多いのが、仙骨(お尻の中央にある骨)の動きが硬い人です。

一日中座る事務仕事、長距離ドライバー、サイクリングが趣味の方など、生活環境に左右されることが多いのが特徴です。そして本人は、仙骨が硬くなっていることにまず気づいていません。

このCタイプで見逃せないのが、朝の起床時に腰が張る・痛むというサイン。実はここに、夜の「寝具」が関わっていることがあります。

繰り返すぎっくり腰と「夜の寝具」の意外な関係

腰は、本来なら夜眠っている間に休まり、回復していきます。ところが、体に合わない寝具だと、夜のあいだに腰が休まらず、痛みや張りを朝へ持ち越してしまうことがあります。

患者さんの例

30代の女性。ご主人の転勤で遠方に暮らし、1歳のお子さんを育てていました。ある日、激しいぎっくり腰で動けなくなり、救急車で病院へ。育児も家事もできず、実家に戻られました。

ところが実家のマットレスは、いつも使っているものより柔らかい。寝た夜は腰の収まりが悪く、何度も目が覚めて眠れない。朝も痛い。そんな状態で当院に来られました。

沈み込みすぎる寝具は、腰を不自然な位置で長時間支えてしまいます。これが夜間の回復を妨げ、朝の腰に響くのです。

患者さんの例

50代の女性。お母様がテレビショッピングで有名メーカーのマットレスを2枚まとめて購入し、その1枚を譲り受けたそうです。けれど実際に寝てみると、全然合わなかった、と。

高価でも有名でも、その人の体に合わなければ意味がありません。寝具が腰痛を治すわけではありません。あくまで「夜のあいだに腰の負担を減らし、楽に休ませる助け」と考えてください。

●硬ければいい、というわけでもない 腰には硬め・高反発が向く人が多いのは事実です。ただし全員ではありません。横向きで寝ることが多い方、痩せ型で肩や骨が当たって痛い方は、やや柔らかめが合うこともあります。大切なのは「あなたの体型・寝方に合うか」です。

ぎっくり腰を繰り返すと、どうなる?

「繰り返すのは体質だから仕方ない」とあきらめないでください。放っておくと、腰をかばう姿勢が癖になり、お尻や足など別の場所にも負担が広がることがあります。

さらに「また痛めるかも」という不安で動かなくなると、筋肉が硬くなり、かえって繰り返しやすい体になります。これが悪循環です。中には坐骨神経痛のように、足のしびれをともなう症状へ進む方もいます。繰り返すぎっくり腰の中には、別の病気が隠れていることもあるのです。

こんな症状があるときは、繰り返す前に受診を

では、どんなサインがあれば医療機関へ行くべきか。具体的に挙げます。

【注意】次のような場合は医療機関へ
  • 足のしびれや、力が入らない感じがある
  • 排尿・排便がしづらい、コントロールしにくい
  • 2週間以上たっても改善しない、むしろ悪化している
  • 安静にしていても強く痛む、発熱をともなう

足のしびれや排尿・排便の障害をともなう腰痛は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、専門的な診察が必要なサインとされています。迷ったら、早めに整形外科を受診してください。

繰り返さないために、今日からできること

タイプ別に、再発を防ぐポイントをまとめます。

タイプ気をつけること
A ぶり返し型痛みが3〜4割引いてから、徐々に動く。一気に戻さない
B 冬型足元を冷やさない。腹巻きや入浴で体の芯を温める
C 予備軍型座りっぱなしを避け、こまめに動く。寝具を見直す

なお、強い痛みがやわらいだあとは、安静にしすぎないことも大切です。動けないほどの激痛でなければ、無理のない範囲で普段どおり過ごしたほうが回復が早いと、複数の研究でも報告されています。

よくある質問

Q. 何度もぎっくり腰になるのはなぜですか?

痛みが引いても組織の回復が途中のまま動いてしまう、寒さで筋肉が硬い、腰や仙骨が常に緊張している——主にこの3パターンです。自分がどのタイプかを知ることが、繰り返しを止める第一歩です。

Q. 治りかけなのにぶり返すのはなぜですか?

痛みと組織の回復にはズレがあるからです。痛みが減っても傷はまだ治りきっていません。この時期に中腰や重い物の作業をすると再発します。痛みが3〜4割引いてから徐々に動くのが目安です。

Q. ぎっくり腰が癖になる原因は何ですか?

毎回しっかり回復させきれず、腰の柔軟性や仙骨の動きが落ちたまま生活していることが大きな原因です。寝具など夜間に腰を休ませる環境が整っていないことも、土壌になります。

この記事を書いた人|大月整骨院 院長 大月規弘(おおつき のりひろ)

柔道整復師・鍼灸師(国家資格)。整骨院院長として30年、累計7万人以上の施術にあたる。腰痛・坐骨神経痛・ぎっくり腰を専門とする。健康雑誌「からだにいいこと」2018年7月号掲載。

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