0.先に結論(30秒で分かる)
- 無理なうつ伏せはNG。 息が苦しい・腰が反ると悪化します。
- 横向き・座ってケアでもOK。 姿勢は「えらべる」ほうが安全。
- クッションを使えば、体が楽になります。
- 痛みやしびれが強いときは、家で無理をしません。
1.なぜ“うつ伏せ”がつらいの?
- 胸がつぶれて呼吸が浅くなる。
- 腰がそりやすい(とくに反り腰の人)。
- 顔や首がねじれて首こりになりやすい。
- 高齢の方はこれらが重なりやすいです。
👵患者さん(70代)
「うつ伏せは息がしにくくて腰がつっぱる感じ…」
👨⚕️先生(あなた)
「むりにうつ伏せにしなくて大丈夫。横向きや座位でも効果は出せます」
2.うつ伏せが向かない人(当てはまると逆効果)
- 息が苦しい・ゼイゼイする
- 腰が反ると痛い
- しびれが足まで強く出る
- 骨が弱いと言われた(骨粗しょう症が強い等)
- 首が回らない・頭痛が出やすい
- 心配ごとが多くて力がぬけない
→ ひとつでも当てはまれば、横向き or 座位でやりましょう。

3.安全チェック(30秒)
- 今日は発熱・強い痛みはない?
- しびれがドンドン強くなる感じはない?
- うつ伏せで息苦しくない?
- ベッドは低すぎない/高すぎない?
- すべらない?(マット・タオルOK?)
→ どれか×なら、無理しない。姿勢を変える or 中止。
4.姿勢はえらべる:ラクにできる3タイプ
A)横向き(いちばん楽な人が多い)
- 頭の下にタオル。
- ひざの間にクッション。
- 腰が丸くなり、息がしやすい。
B)座位(イスに座る)

- 背もたれ or テーブルに上半身をあずける。
- 腰・肩を上からそっとさする。
- 立ち上がりも楽。
C)うつ伏せ(どうしてもやるなら“工夫”)
- みぞおちの下に厚めタオル。→ 胸の圧迫をへらす
- おへそ~骨盤の下にも薄いタオル。→ 反り腰を防ぐ
- 顔は呼吸がしやすい向き。無理に横固定しない
5.家族でもできるやさしいケア(各2分)
※ 力は弱め。皮ふを「なでる→温める」が基本。回数より毎日コツコツ。
ステップ1:あたため(手のひら全体)
- 背中~おしりをゆっくり 10回 なでる
- 痛い所はさける。広い面をやわらかく
ステップ2:ほぐす(親指は使わない)
- 手のひらの**つけ根(やわらかい所)**で、円をえがく
- 背中の左右・おしりの外側を1か所10秒ほど
- 「気持ちいい?」と声かけしながら
ステップ3:しめくくり(さすり)
- 最後にまた背中~おしりを 10回 なでる
- 体が温まった感じでおしまい

👨⚕️先生
「強く押さないほうが、体はゆるみます。弱く、ゆっくり、呼吸に合わせて」
6.ダメなやり方(ケガをふせぐ)
- 痛い所をグリグリもむ
- うつ伏せのまま長時間(5~10分で切り上げ)
- 息を止めてがまん
- 大きな関節(腰・首)を急にひねる
- 翌日ひどく悪化したのに、また同じ強さでやる
7.“合図”が出たら中止&相談
- しびれが強くなる
- 力が入りにくい
- 夜もズキズキして眠れない
- 胸・お腹が苦しい
- トイレが急に変(便や尿の出が極端に)
→ すぐ中止。整骨院・医療機関へ相談。
8.よくある質問(Q&A)
Q:毎日やっていい?
A:OK。5~10分で。弱く・ゆっくり。体調が悪い日は休む。
Q:どのくらいで楽になる?
A:その場でふわっと軽い感じが出れば成功。痛みは少しずつ。
Q:どこをさわればいい?
A:広い面(背中・おしり・太もも上)。点で強く押さない。
Q:機械のマッサージは?
A:強すぎ注意。やわらかめ+短時間から。合わなければ中止。
9.クッションの置き方ミニ図解(文章版)
- 横向き:頭の下にタオル/ひざの間にクッション
- 座位:机にクッション→胸と腕をあずける
- うつ伏せ:みぞおち下=厚めタオル/おへそ~骨盤下=薄めタオル/顔は楽な向き

10.今日からの続け方(3つだけ)
- 楽な姿勢をえらぶ(横向き or 座位から)
- 弱く・ゆっくり・短く(5~10分)
- 毎日コツコツ(痛い日は休む)
👵患者さん
「横向きに変えたら、息が楽で続けられました」
👨⚕️先生
「“続くやり方”がいちばん効きます。力より“やさしさ”です」