「お灸って本当に腰痛に効くの?」
「どこに置けばいいの?」
「自分でやっても大丈夫?」
お灸は“正しく使えば”腰痛に効果を感じる方が多い一方、
間違った使い方をすると やけど・悪化・逆効果 になることもあります。
整骨院を20年以上続けてきた経験から、
安全に効果を出すための ツボ・やり方・注意点 をまとめました。
1 腰痛にお灸が効くと言われる理由
1:血流が良くなり筋肉がゆるむ
お灸の温熱刺激は筋肉をほぐし、
こわばった腰の筋肉がゆるみやすくなります。
2:神経の緊張が緩和され痛みが和らぐ
温めることで交感神経の緊張が下がり、
痛みの感じ方が和らぐ効果があります。
3:自律神経のバランスが整いやすい
慢性腰痛は自律神経の乱れが関係することが多く、
お灸の温熱刺激はリラックス効果が期待できます。
4:温熱効果で慢性痛に相性が良い
特に「冷え」「疲労」「姿勢クセ」からくる腰痛に向いています。
2 腰痛に使われる代表的なツボ(自宅でできる範囲)
※自宅ケアとして“安全な範囲のツボ”を厳選しています。
① 腎兪(じんゆ)
場所:腰骨の高さで、背骨から指2本分外側。
効果:慢性腰痛・冷え・疲労タイプ。
② 腰陽関(こしようかん)
場所:背骨の腰中央部のくぼみ。
効果:反り腰・姿勢による腰痛に。
③ 大腸兪(だいちょうゆ)
場所:腸の動きと関係し、腰中央より少し下の背骨両側。
効果:冷え性・便秘・腰の冷えが強い人に。
④ 志室(ししつ)
場所:腎兪より少し下、指3本分外側。
効果:慢性腰痛・全身の疲労感に。
※腰周りは“位置が分かりにくいツボ”が多いため、
無理に正確な点を狙う必要はありません。
「背骨の両側をじんわり温める」 で十分効果があります。
3 各ツボのお灸のポイント・押すと痛い時の解説
1:腎兪|場所・効果・お灸の温度
温度は やや低め〜普通。
熱すぎる刺激は逆効果になるタイプ。
押して痛い人:
→ 冷え・疲労・姿勢の崩れで腰が固まっているサイン。
2:腰陽関|反り腰の人によく効く
反り腰で痛みやすい中央ライン。
軽い温感でも効果が出やすい。
押して痛い人:
→ 腰椎に負担が溜まっている。
3:大腸兪|冷え・内臓疲労タイプに
腸の動きと関係し、女性の腰痛に特に効果的。
押して痛い人:
→ 冷え・便秘・自律神経が乱れていることが多い。
4:志室|慢性腰痛に定番
広い範囲で温めると効果が出やすいツボ。
押して痛い人:
→ 長時間座りすぎ・運動不足のサイン。
4 初心者でも安全にできるお灸のやり方
1:市販のお灸(せんねん灸など)を使う
初心者は 煙の少ない・直接皮膚に触れないタイプ を選ぶと安全。
2:肌に直接触れないソフトタイプを選ぶ
“ソフトきゅう”・“弱い温熱タイプ”が最適。
3:温度は「熱すぎないもの」を選ぶ
「熱い!」と思ったらすぐ外してください。
4:5〜10分温めるだけで十分
長くやれば良いわけではありません。
短時間でOK。
5:1日1〜2回でOK(やりすぎは逆効果)
刺激量が多いと逆に痛みが強まることがあります。
5 お灸が向いている腰痛・向かない腰痛
1:向いている腰痛
- 冷えによる腰痛
- 慢性腰痛
- 姿勢・コリによる腰痛
- ストレス・緊張が原因の腰痛
- 長時間座り仕事の腰痛
2:向かない腰痛
❌ 坐骨神経痛で“しびれ”がある
❌ 急性ぎっくり腰(炎症期)
❌ 妊娠中で特定のツボは刺激不可(必ず医師へ)
❌ 発熱・感染症がある
❌ 皮膚に炎症・傷がある場所
※向かない腰痛は悪化する可能性が高いです。
6 お灸と相性の良いセルフケア
1:腰丸め呼吸(反り腰改善)
お灸で温まった状態で呼吸をすると、
腰の緊張がさらに取れやすい。
2:太もも裏ストレッチ
腰を下から引っ張る筋肉をゆるめると効果UP。
3:入浴後に行うと効果UP
血流が良い状態のお灸は相性抜群。
4:軽いウォーキング
動きと温熱の組み合わせで慢性痛に効果大。
7 逆効果になりやすいNG行動
1:熱すぎるお灸を使う
やけど・炎症の原因に。
2:皮膚が赤くなっても続ける
刺激量が強いサイン。
必ず中止。
3:お酒を飲んだあとに行う
血流が不安定になり、のぼせ・めまいの原因。
4:長時間何度も繰り返す
“やればやるほど良い”は間違い。
適量が最も効果的。
8 改善しない場合のチェックポイント
1:姿勢(反り腰・猫背)が原因の可能性
姿勢の改善なしでは根本改善が難しい。
2:太もも前・背中が固いのに放置している
筋肉が固いとお灸だけでは限界があります。
3:坐骨神経痛を併発している
しびれがあるタイプは別の対策が必要。
4:マットレス・椅子の問題
腰痛は寝具と椅子の影響がかなり大きいです。
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